SBI オリジナルプランの iDeCo グローバル国際株式ファンド比較

iDeCo

こんにちは、老後の自分年金(目標 4,000 万円)を作るために、個人型確定拠出年金(iDeCo)とつみたて NISA をあわせた投資をしている外資系中小企業勤務の山丘はなお(40 代)です。

SBI の個人型確定拠出年金(iDeCo)口座で購入することができるグローバル国際株式ファンドを比較してみました。

同じアセットクラスの株式投資信託なのですが、どのような違いが有るのでしょうか?

今回のポイント

  • 一口に”グローバル国際株式ファンド”と言っても種類が様々
  • 長期積立ならとにかく信託報酬
  • アクティブ型は成績が良くても長期では手数料負けしてしまう場合も

SBI iDeCo オリジナルプランで購入可能なグローバル国際株式ファンド一覧

個人型確定拠出年金や NISA では、インデックス型のグローバル国際株式ファンド(投資信託)を購入しておけば、20 年から 30 年後にはそれなりの年金資産になっていると考えています。

現在、SBI 証券の iDeCo オリジナルプランで購入できるグローバル国際株式ファンドは 6 種類あるのですが、同じような投資信託でも差があるのでしょうか?

まずは購入可能な投資信託のリストを作って信託報酬で並べ替えてみました。

iDeCo で会社員が掛けられる最大の掛け金(23,000 円、年間 276,000 円)に対する信託報酬も計算してあります。

ファンド名分類  純資産スターレーティング信託報酬(%)年間信託報酬
DCニッセイ外国株式インデックス国際株式グローバル41,357★★★★0.15425
EXE-i先進国株式国際株式グローバル10,639★★★0.31855
EXE-iグローバル中小型株式国際株式グローバル7,138★★★0.33902
三井住友TAM-DC外国株式インデックス国際株式グローバル14,188★★★0.882,428
ラッセル・インベストメント外国株式国際株式グローバル14,761★★★1.464,037
朝日Nvestグローバル バリュー株国際株式グローバル48,667★★1.985,464

信託報酬の安さと純資産の多さ(多くの人が買っている)では、ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス が抜きん出ています。これらの差はどこから来るのでしょう?

ラッセル・インベストメント外国株式と朝日Nvestグローバル バリュー株は、インデックス型のファンドではなく、参考にするインデックスを上回る成績を目指すアクティブファンドです。そのため、信託報酬がインデックス型のものよりも高くなっています。

何をインデックスの基準(ベンチマーク)としているか?

インデックス型の投資信託の場合、何かの基準と同じような値動きとなるように運用されています。どのベンチマークを基準としているかリストアップしてみます。

ファンド名ベンチマーク
ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックスMSCI コクサイ・インデックス(配当込み、円ベース)
SBI-EXE-i先進国株式ファンドFTSE Kaigai(カイガイ)・インデックス(円換算ベース)
SBI-EXE-iグローバル中小型株式ファンドFTSE グローバル スモール・キャップ インデックス(円換算ベース)
三井住友TAM-DC外国株式インデックスファンドMSCI コクサイ・インデックス(配当込み、円ベース)
ラッセル-ラッセル・インベストメント外国株式ファンドMSCI コクサイ・インデックス(配当込み)
朝日Nvestグローバル バリュー株MSCI All Country World Index ex Japan(円換算ベース)を参考

SBI-EXE-iグローバル中小型株式ファンドは、特に中小型株式を対象としたインデックスを使っているため、世界全体の株式に広く投資するという点からは外れる投資信託であると考えられるので、以下の調査からは除外します。

何に投資しているのか?

4 つの投資信託が何に対して投資しているのか、2020 年 9 月 30 日時点の月間レポートから見てみましょう。

国別比較 Top 5

それぞれの投資信託がどの国にどれだけ投資しているか、上位五カ国を並べてみます。

EXE-i先進国については、地域別の ETF に投資しているため投資している国を直接知ることは出来ません。しかし、どの投資信託もアメリカに 60%から 70%投資していることがわかりました。

DCニッセイEXE-i先進国三井住友TAM-DC外国株式ラッセル外国株式朝日Nvestグローバル
割合(%)割合(%)割合(%)割合(%)割合(%)
アメリカ69.99アメリカ60.20アメリカ69.62アメリカ64.97アメリカ54.43
イギリス4.30ヨーロッパ29.84イギリス4.27スイス6.22ドイツ11.77
フランス3.46アジア(日本以外)9.96フランス3.41イギリス4.30イギリス9.12
スイス3.37スイス3.34ドイツ3.97スイス7.77
カナダ3.28カナダ3.27カナダ3.05イタリア4.23

世界各国への分散投資とは言え、アメリカが多くの割合を占めているのはなぜでしょうか?
世界各国の時価総額のシェアを世界各国の PER・PBR・時価総額 (毎月更新)にて調べてみると、2020 年 9 月は以下のようになります。

割合(%)兆ドル
アメリカ57.30%29.4
日本7.50%3.8
中国5.20%2.7
イギリス3.80%2
フランス2.80%1.4
スイス2.80%1.4
ドイツ2.60%1.4
カナダ2.40%1.2

時価総額では米国は全世界の株式の約 6 割を占めていることになります。それ以下の国はどれも誤差というか同じような並びとなっています。

MSCI コクサイ・インデックスは日本を除く先進国の大・中型株を対象とした時価総額加重型インデックスなので、投資対象国からは中国や日本が除かれた形となります。

業種別配分比較

SBI-EXE-i先進国株式ファンドは、地域別 ETF に投資しているため比較からはずしました。

もし比較するならば、ETF が投資している業種を調べ、ETF への投資割合から業種別の投資割合を出すことは可能でしょう。

DCニッセイ三井住友TAM-DC外国株式ラッセル外国株式朝日Nvestグローバル
業種割合(%)業種割合(%)業種割合(%)業種割合(%)
情報技術22.22情報技術12.09情報技術12.30メディア・娯楽15.27
ヘルスケア13.48医薬品、バイオ8.23医薬品、バイオ8.13銀行10.99
金融11.81メディア・娯楽6.49銀行7.77自動車10.54
一般消費財11.04小売6.10メディア・娯楽7.70資本財10.42
資本財9.28テクノロジーハードウェア6.02資本財6.29情報技術9.12
コミュニケーション8.50資本財5.96ヘルスケア5.96金融6.24
生活必需品8.02ヘルスケア5.15一般消費財5.84テクノロジーハード5.86
素材4.33銀行4.74小売5.61小売4.47
公益事業3.30一般消費財4.30半導体、製造装置5.14保険3.96
不動産2.68素材4.29各種金融4.95運輸3.57

同じ MSCI コクサイ・インデックスをベンチマークとしている投資信託でも、銘柄によって投資している業種に差があるのが面白いです。(もしかしたら、投資信託の運用会社により業種の割り当てが違っているだけかもしれません)

新型コロナ以降にテクノロジー系業種の株価が伸びたため、それらの割合が多い DC ニッセイにどのような影響があったか興味がわきます。

朝日Nvestグローバルは他の投資信託とは異なり情報技術の割合が低く、メディアや娯楽産業の割合が多くなっています。また、運輸も上位 10 位に入っています。今回の新型コロナの影響をどれくらい受けたのか気になるところです。

組入銘柄比較

どの会社の株をどのような割合で購入しているかを上位 10 銘柄比較しました。

DCニッセイ三井住友TAM-DC外国株式ラッセル外国株式朝日Nvestグローバル
銘柄名割合(%)銘柄名割合(%)銘柄名割合(%)銘柄名割合(%)
アップル4.66アップル4.63マイクロソフト4.46マスターカード6.52
マイクロソフト3.52マイクロソフト3.50アップル2.71アルファベット(Google)5.72
アマゾン3.14アマゾン3.12TSMC2.67TE コネクティビティ5.04
フェイスブック1.48フェイスブック1.47フェイスブック2.41CNH インダストリアル4.23
アルファベット(Google)C1.06アルファベット(Google)C1.04ロシェ2.21ロイズ4.19
アルファベット(Google)A1.03アルファベット(Google)A1.03アマゾン2.01チャーターコミュニケーションズ3.99
ジョンソンエンドジョンソン0.91ジョンソンエンドジョンソン0.91アルファベット(Google)C1.97GM3.95
ネスレ0.84ネスレ0.83アルファベット(Google)A1.73ダイムラー3.82
P&G0.80P&G0.80ネスレ1.72クレディ・スイス3.81
ビザ0.79ビザ0.79サムソン1.57バンク・オブ・アメリカ3.52

インデックス型のDCニッセイと三井住友TAM-DC外国株式はほぼ同じ構成になっています。ネスレ(スイス)以外はすべてアメリカの会社です。

アクティブ型のラッセル外国株式と朝日Nvestグローバルにはそれぞれのファンドの独自性が出ています。ラッセル外国株式は米国の IT 系企業に TSMC(台湾の半導体製造会社)を混ぜるなどテクノロジー重視、朝日Nvestグローバルは IT 系だけではなく輸送機器、電気機器、銀行、保険などが入っています。

過去の実績は?

過去の実績を比べてみました。三井住友TAM-DC外国株式 の資料に記載のある参考指標(MSCI コクサイ・インデックス)も合わせて表にしています。

銘柄3 ヶ月6 ヶ月1 年3 年5 年10 年設定来
ベンチマーク(DC 外国株式)6.85%25.48%8.57%6.37%8.92%12.85%6.44%
DCニッセイ6.84%24.73%8.52%5.88%8.30%5.30%
SBI-EXE-i先進国株式-1.83%23.94%6.41%4.14%7.37%8.50%
三井住友TAM-DC外国株式6.67%24.24%7.75%5.23%7.75%11.65%5.23%
ラッセル外国株式6.24%23.47%5.64%3.34%6.73%11.60%6.39%
朝日Nvestグローバル5.24%23.80%-9.12%-5.52%1.71%7.89%8.03%

インデックス型のDCニッセイと三井住友TAM-DC外国株式は、実績を見てみると参考にしているベンチマークとほぼ同じ推移をたどっています。

アクティブ型のラッセル外国株式と朝日Nvestグローバルは、設定来ではインデックス型よりも良い成績となっていますが、年によってプラスとマイナスの差が大きいように見えます。

ではこれを買い続ければ良いかというとそうでもなく、次に説明するように信託報酬を引くとインデックス型の成績とほぼ変わらないものとなります。

朝日Nvestグローバルは IT テクノロジー系の組入が少ないことから、テクノロジー系が主導している新型コロナ以降の株価上昇を取り込めず、収益率が新型コロナ前を回復していないようです。もし、新型コロナに収束が見えて、従来の生活に近くなると変化が出てくるかもしれません。

信託報酬の比較

ファンドの成長率も大事ですが、それと同じ、むしろ重要なのが毎年必要とされる信託報酬です。信託報酬は保有している資産に対して毎年一定の割合で引かれていきます。投資終盤で資産額が大きくなるとバカにできない金額です。

設定来の年率で毎月 23,000 円積み立てた場合、積立額と信託報酬(費用)はどのようになるでしょうか?

ファンド名信託報酬設定来年率元本20 年利益運用結果信託報酬 20 年計
ニッセイ-DCニッセイ外国株式0.15%5.30%5,520,0004,216,0659,736,065133,069
SBI-EXE-i先進国株式0.31%8.50%5,520,0008,391,58013,911,580345,741
三井住友TAM-DC外国株式0.88%5.23%5,520,0003,327,9758,847,975716,032
ラッセル・インベストメント外国株式1.46%6.39%5,520,0003,880,6979,400,6971,249,660
朝日Nvestグローバル バリュー1.98%8.03%5,520,0005,105,80710,625,8071,853,892

DCニッセイ外国株式の信託報酬が目立って低いです。信託報酬0.15%の効果が出ています。設定来年率が低くても運用結果が良くなります。

設定来の年率が高いラッセル外国株式と朝日Nvestグローバルですが、信託報酬が災いして 20 年間の運用結果はインデックス型のファンドとそれほど変わらない結果となってしまっています。特に信託報酬が1.98%と高額な朝日Nvestグローバルの場合、積立最後には 1 千万円あまりの資産に対して 年間 20 万円近く費用がかかってしまいます。

SBI-EXE-i先進国株式がこのままの年率を維持できるとすると、かなり良いパフォーマンスが得られると思われますが、設定来 10 年経過していないファンドのため今後どのように推移するか不透明です。

まとめ

SBI オリジナルプランの iDeCo では、グローバル国際株式ファンドと一口に言っても投資の内容が異なるファンドが複数存在している事がわかりました。

設定来の年率で成績が良い投資信託でも、アクティブ型だと信託報酬が高く、20 年以上の長期投資では手数料に足を引っ張られて運用結果が低コスト型のインデックスファンドと同じかむしろ結果が悪くなる可能性もあります。

それぞれのファンドの特徴をまとめてみます。

ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス

  • グローバル国際株式ファンドで最も安い信託報酬
  • ベンチマークからの乖離も少なく、ベンチマークの動きに連動
  • 総資産も大きい(多くの人から買われている)
  • 設定から 10 年経過していないが、おそらく成績はベンチマークとほぼ同じとなるはず

SBI-EXE-i先進国株式ファンド

  • 地域ごとの割合で各地域 ETF に投資
  • 投資先の ETF は今回は未調査
  • インデックス型ながら設定来の成績が最も良い(設定から 10 年経っていないので、ここ数年の株高のおかげかも)

三井住友TAM-DC外国株式インデックスファンド

  • 設定来で最低の年率
  • アクティブ型ほどではないものの高めの信託報酬
  • ベンチマークからの乖離も気になる

ラッセル・インベストメント外国株式

  • インデックス型と似たような上位銘柄構成なもののさらにハイテク寄り
  • 目標としているベンチマークに対しても設定来では下回り、手数料まで含めると不利

朝日Nvestグローバル

  • 設定来でも高い成績
  • 好不調の波が年ごとに激しい
  • 信託報酬が高いものの、成績が良いため運用結果はインデックス型より良くなる可能性
  • 銘柄選択が、新型コロナのハイテク分野人気を取りこぼしているっぽいが、アフターコロナが早く訪れた場合の回復期に期待

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