何はなくともまず iDeCo (5)

iDeCo

前回は転職などに伴う年金資産の移動ついてまとめました。
前回のポイントをまとめます。

  • 年金資産移動には手続きが必要
  • 移動手続きには 1 ~ 2 ヶ月と手数料が必要
  • 移動時には一旦現金になってしまうため、移動後に金融商品を買い付け直す必要がある

今回は、確定拠出年金で投資する金融商品のを選ぶ際に必要となる知識として、各商品の性質をまとめてみます。

今回のポイント

  • 掛け金の投資先は自分で選ぶ
  • 投資対象の性質でアセットクラスに分かれる
  • 株式は+/-の幅が大きい。結果として平均はプラスが多め
  • 債権は+/-の幅が小さい。結果として平均は少なめのプラス
  • REIT は+/-の幅が大きい。地域別の差が大きめ
  • コモディティは+/-の幅が大きい。平均は少なめのプラス

確定拠出年金では掛け金の投資先を自分で選ばなければならない

確定拠出年金の最大の山場は、投資先を自分で選ぶ作業と言っても過言ではないでしょう。
投資において絶対という言葉は絶対ないため、

誰でもこれさえ買えば将来絶対儲かりますとは言えず

あとからツッコミを受けないために、アレヤコレヤと説明をしなければなりません。
また、色々おすすめを書いた挙げ句に、最後に一言「でも実際に投資した結果はあなたの責任で、損しても知りません。」的なことが書かれています。

もちろん、このブログもそのようなブログのひとつなので、あくまでも私の考え方と投資先の選び方をまとめていきます。

確定拠出年金の運用方針

何回か書きましたが、私の確定拠出年金に対する考え方は、

  1. 一度積立を開始したら放置しておく
  2. 世界が滅亡しない限り、少しずつでも人類は発展する

という事を基本にしています。

これに加えて

  1. 確定拠出年金を自分年金の中核にする
  2. NISA も併用する
  3. 個別株や ETF も併用する
  4. 日本在住で有る

という点を考慮して、私の場合は個人型確定拠出年金(iDeCo)では、月額 23,000 円を拠出し、
DC ニッセイ外国株式インデックス
一本だけに積み立てることとしました。

最悪のケースとして、引退直前に世界の株式が大暴落して、老後の資金は 0 という可能性も無きにしもあらずという選択です。(世界は少しずつでも成長するので、20 ~ 30 年も積み立て続ければ、まあプラスにはなってくれているだろうという考えです)

もし、自分年金を確定拠出年金だけでまかなおうと考えている場合は、いろいろな投資内容がミックスされたバランス型の商品を選ぶということも考えたほうが良いでしょう。

いきなりバランス型と言われても訳がわかんないですけど?そうですね。わけがわかんないですね。掛け金を積み立て運用する商品はどのような物が有るか知っておく必要があります。

確定拠出年金で投資できる商品

  • 元本確保型と元本変動型
  • 様々な投資対象
  • インデックス型かアクティブ型か
  • 忘れちゃいけない手数料

1つの金融機関がiDeCo用に販売できる金融商品の数は、1つのラインナップで36 本までと制限されています = ラインナップが絞られている。

投資対象や投資の性質が分かれていて、人によっては 36 種類では足りない!という人も居ますが、投資マニアでなければそんなに比較する時間がない。というのが本音なのではないでしょうか?

確定拠出年金では、だれが購入しても、長期間投資すればまあまあそこまでひどい結果にはならないのでは?という品揃えになっていると感じます。

SBI 証券だけひとクセあり

SBI 証券は従来から 60 本あまりの商品を iDeCo にラインナップしていたため、2018 年 11 月からオリジナルプランとして従来の 60 本あまりを 35 本に商品を制限したリストと、セレクトプランとして新たに選んだ 34 本の商品をラインナップして選択肢を広げています。

【セレクトプラン】
2018 年 11 月に導入した新しい運用プランです。
コストや運用実績等を総合的に勘案し、お客さまの多様な投資ニーズにお応えすべく
インデックスファンド・アクティブファンドをバランスよく「セレクト」したプラン
となっております。
信託報酬が低い投資信託を多くそろえているのも特徴です。


【オリジナルプラン】
iDeCo サービス提供開始時からご提供のプランです。
マーケットや時流に合った商品を拡充してまいりましたが、制度変更による商品数の上限を満たすよう運用商品の見直しを行いました。
コストや運用実績から選定した 35 商品(現在、除外商品を含む全 67 商品のうち、2023 年までに 32 商品が除外となり 35 商品になります)をラインナップとして提供いたします。

新プラン(セレクトプラン)と旧プラン(オリジナルプラン)は何が違うのですか

セレクトプランの方が全体的に新しい商品が多く、商品にかかる手数料が安くなっている物が多いため、新たに個人型確定拠出年金(iDeCo)を始める場合はセレクトプランの方がよさそうです。

2018 年 11 月以前から SBI 証券で個人型確定拠出年金(iDeCo)で投資している人は、そのまま継続するかプランを変更する事になります。

プランを変更する場合、手数料は無料でできるのですが、一旦現在持っている商品を現金化して新たに新プランで必要な商品を買付し直さなければなりません

プランの変更には 1 ~ 2 ヶ月の期間がかかるため、よほど理由がなければそのままにしておこう。というのが現在の私の考えです。

元本確保型と元本変動型

確定拠出年金で投資対象となる商品の第一の区分は
元本確保型と元本変動型商品の差です。

  • 元本確保型 積み立てた金額は減らない(銀行預金とほぼ同じ)
  • 元本変動型 積み立てた金額が減る可能性がある

第一回で触れたとおり、これから 20 年以上の長期に渡って iDeCo を続けていこうとする場合は、元本確保型を選択するメリットは無いです。

おそらく、元本確保型の商品は年金資産移動や、引退時直前でこれ以上運用したくない時などに使うための商品だと考えられます。

もしくは、運用年数が長く取れない場合、積立貯金代わりにしつつ税制優遇措置を使って節税という使い方ができるかもしれません。

様々な投資対象 (国内・国外・株式・債権・不動産・商品先物)

元本変動型で積立投資して行くと決めた場合、iDeCo 用に準備されたラインナップの中から購入する金融商品(投資信託)を選ぶことになります。

投資信託には次のような特徴があります。

  • 投資信託は投資先によって将来の値動きの幅が変わる
    • 将来値上がりや値下がりする幅が広い = リスクが高い。でも儲け(リターン)も高い
    • 将来値上がりや値下がりする幅が狭い = リスクが低い。でも儲け(リターン)も低い

投資信託は、投資の内容によって将来の値動きの幅が変わる性質があります。言い換えると、得られる利益の予想と、損をしてしまう予想の割合が投資信託ごとに違うとも言えます。

例えば、確定拠出年金で購入することができる金融商品で一番リスクが低く、リターンも低い商品はなんでしょう?

そうです。元本確保型の商品です。掛け金は全額保証されていますがほぼ増えません(30 年間、毎月 2 万円、利率 0.04%で積み立てても利子は 43,000 円程度)。最大増えて+0.04%、最大マイナス 0%、30 年間で+0.602%増えますが、将来物価が上昇した場合には資産が目減りしている可能性もあります。

反対に、iDeCo で購入することができる金融商品で一番リスクが高く、リターンも高いと考えられる商品はなんでしょうか?

SBI 証券の iDeCo 用の商品ラインナップで購入することが出来た(今後できなくなります)投資信託の中から選ぶと
大和-ダイワ/RICIコモディティ・ファンド
でしょうか?

投資信託の説明書(目論見書)を見ると、2015 年 5 月から 2020 年 4 月では最大+18.1%増えたときと-41.0%減った時があり、平均で見ると-7.9%減ったとされています(交付目論見書 2020 年 7 月 21 日 参考情報より)。引退して自分年金を使い始めるときに+18%のタイミングが来れば良いですが、下手をすると-41%のほぼ半額になってしまうかもしれません。5 年間の投資期間では-7.9%減ってしまっています。これではジェットコースターすぎます。

あまりにもリスクが高く、さらに手数料も高いためか、SBI証券のiDeCo で購入することができる投資信託のラインナップからは外されることなっています。

このリスクとリターンの性質は、投資先の地域と投資する商品の種類(株式・債権・不動産・商品先物など)によりアセットクラスと呼ばれ、区分されています。

どの性質の投資信託に投資するか(アセットクラス)

リスクとリターンの性質は投資対象の商品に応じてある程度決まってくるため、アセットクラスと呼ばれて区分されています。

主なアセットクラス

  • 日本株 日本国内で売り買いできる株式に投資
  • 先進国株 欧米など先進国で売り買いできる株式に投資(商品によっては日本が含まれる場合も)
  • 新興国株 アジア、アフリカ、南米など新興国で売り買いできる株式に投資
  • 日本国債券 日本国内の債権(国債や会社が発行する社債)
  • 先進国債券 欧米など先進国の債権(国債や会社が発行する社債)
  • 新興国債券 アジア、アフリカ、南米など新興国の債権(国債や会社が発行する社債)
  • REIT(日本、先進国、新興国) 土地、建物の家賃収入、売買
  • コモディティ 原油・金・穀物等の商品先物取引

それぞれのアセットクラスはどのような性質を持っているでしょうか?リスクが高い=+/-の幅が大きい。リターンが高い=平均の+が大きい。と考えて、アセットクラスごとに見てみます。

モーニングスターの資産別リターンからアセットクラス別に騰落率をまとめてみました。

単年で見るとプラスやマイナスになっていても、2010 年 ~ 2019 年末までという 10 年で見るとどのようになるでしょう?

アセットクラス最大(%)最低(%)平均
日本株+51.5%-18.9%+8.3%
先進国株+29.2%-7.8%+11.1%
新興国株+32.5%-20/7%+3.2%
日本国債券+3.4%-0.8%+0.9%
先進国債券+6.2%-2.4%+0.9%
新興国債券+7.3%-9.9%0.0%
日本 REIT+35.9%-26.2%+11.1%
先進 REIT+33.0%-18.7%+4.4%
コモディティ+29.7%-29.3%+3.3%

この結果からそれぞれのアセットクラスの性質が見えてきます。

  • 株式は+/-の幅が大きい。結果として平均はプラスが多め
  • 債権は+/-の幅が小さい。結果として平均は少なめのプラス
  • REIT は+/-の幅が大きい。地域別の差が大きめ
  • コモディティは+/-の幅が大きい。平均は少なめのプラス

確定拠出年金で長期間投資するとするなら、コモディティはリスクとリターンの関係から無視しても良いでしょう。商品先物は素人は自分年金の中核としては手を出さないほうが良いです。もちろん、もしかしたら今後 10 年で世界の株式は大暴落して、世界的な食糧不足で穀物が暴騰、コモディティが大幅にプラスという未来もありえなくはありません。

ただし、これまでの傾向から、20 年以上の長期で投資をするなら世界全体の株式に投資しておけば、まあそこまで間違った事にはならないのではないか?という事が言えます。

インデックス型かアクティブ型か?

それぞれのアセットクラスの中の商品は、さらに”インデックス型“か”アクティブ型“かに分類されます。

何かの指標に合わせるインデックス型

インデックス型の投資信託は、何かの指標に合わせて価格が上下するように作られています。

たとえば、東証株価指数(TOPIX)という指数は、東京証券取引所で売買されている株式の価格をもとに計算される指標の一つです。

この指標がプラスになるということは、個々の株価はプラスやマイナスが混ざっていたとしても、大枠で見るとプラスになっていると言えます(本当はもっと複雑です)。

このような指数と同じような動きになるように、投資信託の内部で自動的に売り買いが実施され、投資信託の価格も指数と同じ用に上下する

というのがインデックス型です。

指数の計算に用いられるものと同じ株を売買すればよいため、複雑な調査や分析が少なくなり、費用が抑えられ手数料も低くなるのが特徴です。

専門家ががんばるアクティブ型

ある程度自動的に投資信託の価格が決まってくるインデックス型に対して、アクティブ型は専門家がその知識に基づいて売り買いする品物を決めています

そのため、売り買いする品物を決めるのは非常に難しく、時にはインデックス型を超えるプラスの実績を出したり、インデックス型を大幅に下回った成績になったりと成績の振れ幅が大きくなりがちです。

専門家を雇うためには高い給料が必要となり、結果手数料も高くなります。

不都合な真実として、多くのアクティブ型投資信託の成績はインデックス型の投資信託を上回ることが出来ません。

参考:投資信託のインデックス型とアクティブ型は何が違う?

忘れちゃいけない手数料(コスト)

インデックス型とアクティブ型の説明でも触れましたが、最後に忘れてはならないのが「手数料」です。

手数料の種類としては・・・

  • 購入時に発生
    • 買付手数料 ネット証券の確定拠出年金用商品の場合は無料の物が多い
  • 投資信託を保有している間、毎年発生  0.1%~数%
    • 運用管理費用 (信託報酬) 保有額に対して割合が決まっている
    • 監査報酬
  • 売却時
    • 売買委託手数料 ネット証券の確定拠出年金用商品の場合は無料の物が多い
    • 信託財産留保額 ネット証券の確定拠出年金用商品の場合は無料の物が多い

確定拠出年金では 20 年などの長期に渡って毎月金融商品を購入し続けます。大切になるのはその際に支払わなければならない費用です。
購入時に手数料が発生せず、保有期間中に毎年必要となる費用もできるだけ低く、暴落の危険も低く、かつある程度のリターンも望めるような好条件の商品に投資できれば自分年金の運用もうまく行きそうな気がしてきませんか?

次回は、確定拠出年金ではどんな商品を選んだら良いでしょう?という事をまとめていきます。

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