何はなくともまず iDeCo (2)

iDeCo

こんにちは、老後の自分年金(目標 4,000 万円)を作るために、まず個人型確定拠出年金(iDeCo)を中核に据えて積立投資を進めている外資系中小企業勤務の山丘はなお(40)です。

前回は確定拠出年金のメリットを調べ、これを自分年金(目標 4,000 万円)の中核として使っていこうという説明までしました。
前回のポイントをまとめると、確定拠出年金には次のような特徴があります。

  • 確定拠出年金 = 毎月きまった金額を自分で選んだ投資先に積立投資
  • 3 つの税制の優遇処置がある
  • 積み立てた金額すべてが所得控除 = 所得税や住民税が減る
  • 利益が出た場合非課税 = 通常の株取引では利益に対して約 20%課税
  • 積立資産の受取時には所得控除の対象 = 受け取るときに課税が軽減される(ただしその時の税制次第の面も)

今回は、確定拠出年金の 2 つのパターンと掛け金についてまとめます。

今回のポイント

  • 確定拠出年金には企業型と個人型
  • どちらも運用方法は従業員が選択
  • 企業年金が無い会社員の個人型(iDeCo)掛け金は最大月額 23,000 円
  • いいことばかりではなくデメリットも(対処法あり)

確定拠出年金には企業型と個人型の 2 つのパターン

毎月きまった金額を自分で選んだ投資先に積立投資する。というのが確定拠出年金です。

毎月の掛け金を企業が支払うのが企業型確定拠出年金(企業型 DC = Defined Contribution Plan)で、掛け金を個人が負担するのが個人型確定拠出年金(iDeCo)となります。

企業型確定拠出年金とは?

企業は決まった額を掛け金として出すから、あとは従業員の皆さんでなんとかしてね。という制度になります。

企業によって支払われた(拠出された)掛け金をどこに投資するか、従業員ごとに選ぶことができます。

従来の企業年金は、勤続年数と給与額によって年金額が決まってくる確定給付企業年金がほとんどでした。しかし、企業による年金の運用で期待した利回りが確保できなかったり、費用がかかりすぎるようになり、従業員数に応じてきまった年金を準備することが難しくなってきました。

(もう面倒見きれないので、ある程度お金出すからあとは自分たちでなんとかしてね。という公的年金と似たような構造が・・・)

企業によっては確定拠出年金だけではなく、勤続年数による決まった金額の確定給付企業年金と合わせて使用する会社もあります。

確定給付企業年金とは?

いわゆる企業年金と聞いてイメージすることが多いのが、確定給付企業年金(DB = Defined Benefit Plan)です。勤続年数や給与テーブルから計算によって決まってくる従来型の企業年金になります。

A さんは勤続 30 年で課長職までなので年金額は xxx 万円。というように事前に受け取ることができる金額が確定している年金となります。

支給しなければならない金額が決まっているため、企業はその金額を準備するために積立や運用という本来であれば企業の本質的な業務以外の負担がおおきくなってしまう。というデメリットがあります。

企業型確定拠出年金の掛け金は?

掛け金の金額は社内での役職などで変化したり、従業員一律であったりと、各企業で違ってきますが、一ヶ月に拠出できる金額の最大額が決まっています

  • 他の企業年金がある場合 月額 27,500 円
  • 他の企業年金がない場合 月額 55,000 円

この金額が企業によって払い込まれ、従業員は自分で選んだ投資先に毎月投資し、運用の結果は自己責任ということになります。

私が以前勤めていた外資系企業は、確定給付型企業年金も存在していて、すべての従業員一律に最高額の 27,500 円が拠出されていました。

企業型確定拠出年金をベースとして、役職や勤続年数で変化する確定給付型で差をつけるという割と恵まれた年金制度設計でした。

従業員が掛け金を上乗せできるマッチング拠出

企業から支払われる掛け金が一ヶ月に拠出できる最大の金額とならない場合、従業員側から掛け金を上乗せすることができるのが

「マッチング拠出です」

マッチング拠出は拠出金額を増やすことができる便利な仕組みなのですが、条件があります。

マッチング拠出には 2 つのルール

  1. 従業員の拠出額は企業の拠出額を超えないこと
  2. 企業と従業員が拠出する掛け金の合計額は掛け金の拠出限度を超えないこと

例えば、他の企業年金がある場合は月額 27,500 円まで拠出することができるのですが、会社は 20,000 円しか拠出してくれません。

そこで、従業員は自身の給与から 7,500 円拠出して、拠出の限度額まで投資することができるようになるというものです。

従業員がマッチングで拠出した掛け金 7,500 円は全額所得控除の対象となります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?

企業によって掛け金が支払われる企業型確定拠出年金に対して、個人型確定拠出年金(iDeCo)は各個人が掛け金を支払い、自分で選んだ投資先に積立投資することとなります。

企業年金が用意されていない企業や自営業など、日本在住の 20 歳~ 60 歳までのほぼすべての人が加入することができます。

もう公的年金ではすべてをまかなうことができないので、あとは自分たちで不足分を iDeCo でなんとかしてね。という仕組みです。

iDeCo に加入できない人

  • 60 歳以上
  • 海外在住
  • 農業年金加入者
  • 国民年金未納、支払猶予、免除者

企業型確定拠出年金を利用している企業では、個人型確定拠出年金(iDeCo)の併用を企業年金の規約で認めている必要があったり、マッチング拠出をしている場合は iDeCo に加入できないなど制約があります。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛け金の上限は人によって変化する

毎月支払うことになる掛け金は最低額と上限額が決まっています。
最低額は 5,000 円。上限額は職業によって変化してきます。

  • 自営業者 月額 68,000 円 年額 816,000 円 ただし国民年金基金と合算
  • 会社員
    • 企業年金なし 月額 23,000 円 年額 276,000 円
    • 企業型 DC 加入 月額 20,000 円 年額 240,000 円
    • DB と企業型 DC に加入 月額 12,000 円 年額 144,000 円
    • DB に加入 月額 12,000 円 年額 144,000 円
  • 公務員 12,000 円 月額 12,000 円 年額 144,000 円
  • 専業主婦(主夫) 月額 23,000 円 年額 276,000 円

私の現在の勤務先は企業年金が無いため、月額 23,000 円、 年額 276,000 円まで掛け金を支払うことができます。

掛け金に対する税制優遇

前回からの繰り返しになりますが、毎月支払う掛け金は全額所得控除されるため、仮に年収 500 万円だとすると年間 55,200 円ほど支払う税金を少なくすることができます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)のデメリット

いい事ずくめのような個人型確定拠出年金(iDeCo)にもデメリットが潜んでいます。今回の最後にまとめておきます。

始めたら止められない

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、一度始めたら 60 歳になるまで最低月額 5,000 円の掛け金を支払い続けなければなりません

正確には掛け金の払込を停止することができるのですが、停止してしまうと毎月の運営管理手数料のみ取られてしまいます。また、掛け金の金額変更は一年に一度だけとされています。

このデメリットへの対策としては・・・

運営管理手数料が低い金融機関を使用する

掛け金を決める前に家計の収入と支出を確認

することで対応可能となります。

投資対象の変更に時間がかかる

確定拠出年金は自分で投資対象を選択することができます。

一度選んだ投資対象を変更(スイッチング)することができるのですが、変更には日数がかかります。A という投資対象がダメそうだから B に移すというときには一週間程度の日数が必要となります。

このデメリットへの対策としては

投資対象をコロコロ変えなくても済むような物にして対応します

個人型確定拠出年金(iDeCo)は自分年金の中核となるものなので、一度設定したら設定したことすら忘れて自動的に積み立てられていくような性質の投資が一番と考えます。

運用結果がマイナスになることも

確定拠出年金(企業型/個人型共に)は、自分で選んだ投資先に掛け金を投資していく事になります。

元本が保証されていない投資対象に投資した場合、結果として投資した金額を下回ってしまう場合があります

このデメリットへの対応としては・・・

  • 投資期間を長く考える
  • 投資対象を幅広く

することで対応可能となります。

自分年金の中核となる投資対象は、もうこれが駄目なら世界全部が駄目だろう。というような物に投資した方が良いと考えています

世界大戦、新型コロナや金融危機のような世界全体を巻き込む未曾有の事態にも、人類はなんとか立ち直って成長を続けています。今後も世界は後戻りすることは有っても、長い時間をかければ少しずつでも成長するだろうと信じるしかありません

運用結果をなるべくプラスにするための考え方はまた別の機会に説明します。

次回は個人型確定拠出年金(iDeCo)の始め方をまとめます。

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