会社に勤めるということは、自分の時間を金銭に変換していると考えれば、投資の一種と考えることもできます。
会社勤めを投資と例えると、好決算で株価上昇はボーナスや昇給、反対に業績悪化での株価下落は給与カットと言えるかもしれません。さらに悪い方向へ行けば上場廃止=リストラ。となるでしょう。
特にこれといって特殊技能や管理職経験のない、40代中年がリストラされた場合にどのようにして再就職先を見つけたかまとめてみます。
リストラ対象40代中年
まずリストラされた40代中年(私)の状況をまとめておきましょう。
- 大きめ外資系企業で技術系職種の平社員
- 年収700万円台
- 勤続7年
- これといって特筆できる特技なし
会社は業績不振から数年間リストラを重ねていて、業績も低位で安定してきていることから、もうこれ以上は人を切ることはなくなるだろう。と誰もが思っていたのです。
それが、年の瀬も迫ったある日、日本の部門を管轄している系統から少し外れる部署のバイスプレジデントが突然来日し、私が働いていた技術部門全員の社員を集めて
「来年、日本のこの部門閉めることにしたから」
とわずか3ページの薄いプレゼン資料と共に発表しました。
その日は会議終了後に全員そのまま帰宅、翌日からは順番に人事に呼び出されるまでひたすら自席で待機。ある人は退職勧奨(割増退職金をもらって事実上の指名解雇)、ある人は海外の別子会社へ移籍となって行きました。
私の場合は会社に残ることはできず、退職勧奨での退職となりました。
退職条件
示された退職条件はそれほど悪いものではありませんでした。
- 勤続年数に応じた割増退職金
- 退職勧奨のため雇用保険の失業手当は即支給
- 会社が契約した転職支援サービス利用可能
転職先の探し方
退職勧奨で退職した場合、雇用保険は所定の待機日数を経て即時支給となります。
同時に次の転職先を探さなければなりません。転職先を探す方法としては
- 同僚・上司のツテ
- 職安の紹介求人
- 会社が斡旋する転職支援サービス
- 転職サービス
- 転職SNS
- 各企業のサイトから直接応募
というような選択肢があるでしょう。それぞれのメリット、デメリットを上げてみると。
同僚・上司のツテ
メリット
ある程度長い時間を職場で過ごした同僚・上司であれば、それなりにどのような人か、仕事ぶりなど含めて自分の適正を判断した上で仕事を紹介してもらえるかもしれません。
あまりブラックすぎたり、評判が悪い会社を押し付けられるという事もないでしょう。
デメリット
同僚・上司にツテがなければそもそも紹介してもらえません。また、職場内での関係がよくなければ良い結果は得られないかもしれません。
職安の求人紹介
公共職業安定所(ハローワーク)は、リストラされた場合にはほぼ確実に一回は訪れる場所かもしれません。
メリット
無料です。求人内容からか、従来からある産業へ転職する場合はそれに応じた応募書類の添削や、面接対策もしてくれます。また、職業訓練は職安経由で申し込みすることになります。
デメリット
お役所仕事。なんとか民間のサービスに追いつこうと色々努力はしていると思うのですが、所詮お役所仕事というかどこかズレているように感じます。また、担当者は結構な割合で非正規雇用の方らしく、待遇が悪い人が自分より待遇の良い職を積極的に紹介していけるのか?という疑問もあります。
紹介される求人はたいてい給料が安く、求人票の内容と実際の待遇が異なるという話もチラホラ。
転職したい業種にもよりますが、職安は雇用保険の手当を受け取るためだけに存在すると捉えた方が良いかもしれません。
会社が斡旋する転職サービス
リストラに慣れた会社だと、会社が契約してお金を支払っている転職サービスが紹介されます。このサービスを使用する場合、無料の転職サービスよりも教育サービスやキャリアプランナーへの相談など、少し手厚いサービスが受けられる場合があります。
サービスを受けない場合、会社が負担する費用プラスアルファが退職金に上乗せされる場合もあります。
メリット
会社が費用負担した有料サービスなので、相談窓口やオンラインラーニング、スポーツクラブなどの福利厚生施設利用サービスが有り、資格の勉強をしたり、転職時の悩み事などを相談できます。
デメリット
サービスは退職後一年間のみ。また、使ったとしても確実に転職できるとは限らない。
提供される優待の内容が私には合わないと感じたので、サービスは利用せずに退職金の上積みを選びました。
転職サービス
転職サービスは応募者に適した求人紹介、面談からの履歴書作成支援、企業との条件交渉などを提供するサービスです。日系の会社と、外資系の会社があり、それぞれ得意としている業種、年齢層で棲み分けられている印象があります。
メリット
応募者を転職させて、転職後もある一定期間は就業を続けることで報酬が得られます。そのため、転職サービスの担当者は基本的に応募者の適正を見極めて最適な職を紹介しようとする。
一般に公開されていない求人情報を持っている場合がある。
デメリット
担当者次第。言ってはなんなんですが、本当に担当者次第です。とにかくノルマ達成のために求人に嵌め込めばいいだろう?くらいにしか思っていないような担当と当たった場合には、別のサービスを使うなどした方が良いかもしれません。
ただし、印象が悪い担当者だとしても、紹介してくれる求人が全てなので好き嫌いせず「良い求人を持ってきたら転職してやる」くらいの気持ちで付き合っても良いかもしれません。
転職SNS
有名どころではLinkedInでしょうか? 自分の経歴をサイトに載せ、企業担当や転職サービス担当者から声がかかるのを待ったり、自分から求人に応募することができます。
メリット
自分の経歴をまとめる事でキャリアの棚卸しができます。これをベースに履歴書や職務経歴書の更新に利用することができます。
同僚や興味のある業種の人と繋がることで、業界の状況を知ることができたり、どのように履歴書をブラッシュアップすれば良いのかヒントを得ることができます。
デメリット
ちょっとでも関係がありそうな経歴だったら、とりあえず声をかけてみる系の転職エージェント(インドとかフィリピンとか)からの頻繁なメッセージ。
私のような凡人だと、他人のキラキラ経歴を見て若干落ち込むことも。
各企業のサイトから直接応募
企業が持つWebサイトには会社の紹介とともに、求人情報が掲載されている場合があります。「これぞ!」と思った会社には直接応募する事もできます。
メリット
中間に何も紹介者を入れず、直接企業の反応をみることができる。
思い立ったらすぐ応募可能。
デメリット
応募書類が充実していない場合、本当は内定が出る能力があるのに相手企業に伝わりきらない場合があある。
企業ごとに応募の入力項目が異なり煩雑。直接応募かと思っても、結局、転職支援サイトへ転送されそこから応募という場合も。
転職に使ったサービス
各転職方法を比較して、
- 同僚・上司のツテ
- 当時の上司が幾つか知り合いの企業を紹介してくれました
- 転職サービス
- 数社のサービスを利用することにしました
を使って転職することにしました。
その他の方法も転職したい業種や職種によっては有用だと思います。
次回は、実際に使った転職方法をまとめていきます。
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